about

愛媛県は焼き物の里、砥部町にて自宅の土間2坪半のスペースに、今は無き富士珈琲機械製作所の「ブタ釜」を置いてコーヒーの自家焙煎をしております。

その昔、喫茶店でアルバイトをしていた時、おっちゃんおばちゃんの常連のお客さまにご注文を伺いに行くと、よく「普通のコーヒーちょうだい」って言われていました。
僕は、普通のコーヒーって何なん?普通のコーヒーなんかないし。ブレンドもストレートもいっぱいあるのに。ちゃんとメニュー見て選べばいいのに。って思いながら「かしこまりました○○ブレンドですね」と言ってお店でいちばん出ているブレンドコーヒーをお出ししていました。
ところが、そういうお客さまほど「今日のは上手く淹っていたね」とか「今日のは何だか薄かったね」とか「苦かったね」などのお言葉をくれる方が多く、ただ居心地のいい空間として喫茶をしに来ているだけではなく、味も、お店に来る重要な要素のひとつとしてもちろんあったのです。
そのお客さまたちは、その店でいちばん飲まれていていちばん値段も安くていちばん回転率が早いいちばん鮮度の保たれている"普通のコーヒー"が一番美味しいことを知っていたのです。

その後、スペシャルティコーヒーに出会い、個性のハッキリしたおいしいコーヒーを飲んで衝撃を受けました。こんなにも雑味がなく明るい酸味があり華やかな印象を持つコーヒーがあるのか、と驚きました。たくさん飲みました。
そのおいしい個性は確かに魅力的なのですが、時に強すぎると思うこともありました。
そして、あの喫茶店の"普通のコーヒー"を思い出し、
でも飲んでみたらおいしくない。
雑味を多く感じたり嫌な苦味や酸味が気になったりしました。

"口に含めば、こうばしい香りが体中にしみわたり、砂糖を入れずともトロリとした甘味が感じられる。もちろん、苦味、酸味もバランスよく舌を刺激して、からみつくようなしつこい味は一切ない。スッキリした味なのだ。飲んだ後には、爽快感と高揚感が残り、さらにもう一杯飲みたくなる。"(嶋中労氏著「コーヒーの鬼がゆく」より)

コーヒーの鬼と呼ばれていた、珈人 標交紀氏の追い求めた"ダイアモンドのようなコーヒー"。
それはおそらく僕のイメージする最高に美味しい"究極の普通のコーヒー"のような気がしました。
自分もこんなコーヒーを飲んでみたいと思い、そしてまだ飲んだことのないその味を、自分でつくりたいと考えるようになりました。

ですので種類はオリジナルブレンド一種類です。これをひたすら目指します。

古い焙煎機を使うからといって昔の味を再現したいわけではありません。もちろん素材にもこだわります。現代のコーヒーニーズに応えるべく、生豆の選別からブレンド、焙煎まで、自身の経験と学びのすべてをそのコーヒー豆一粒一粒に込めます。
混合焙煎という業界内では反対派も多い焙煎前に豆をブレンドするいわゆるプレミックスで焙煎しています。
この方法だと個々それぞれの個性は弱まってしまいますが、その分各々の個性が調和してひとつの味が完成される、と考えています。
その印象は強いものではなく、優しいのです。
僕は是非豆の量を多めに使って濃いめに淹れることをお薦めの淹てかた(濃すぎると思う時はお湯で延ばす)としてお願いしたいのですが、決して強い印象はありません。
濃くて優しいコーヒーです。
薄くて強いコーヒーも良いのですが、僕が選んだのは濃度を上げてもきつくなくて甘さと優しさを感じるコーヒー。

苦過ぎず、酸っぱ過ぎない度合いでの煎り止めをして、
コーヒーの持つ素材本来の果物のような自然な甘みと酸味。
火を入れることによって引き出てくるチョコレートのような甘みと香ばしく心地よい苦み。
その両方を感じていただけるよう、直火でじっくりと焙煎しております。

まだまだ修行の身ですので、コーヒー好きなお客さま、珈琲マニアなお客さま、カフェイン中毒なお客さまにはぜひ沢山の厳しいお言葉、優しいお言葉などのご教示をいただけるよう、心からお願い申し上げます。

僕のつくる"普通のコーヒー"が少しでも皆さまの珈琲人生の一杯のコーヒーになれたら嬉しいです。


発送は、クリックポストにて全国一律188円です。